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住まい手をたずねて

TOKYO STYLEの家に暮らすご家族へのインタビュー

陽だまりに佇む猫の背中が何とものどかな午後。リビングには心地のいい風がゆるりと抜け、わずかに木の香りが漂います。竣工して2年経つ小野邸には、慎也さん、房子さん、文乃さんが暮らしています。そしてこの日は、家族のように親しみ深く話し込む中島創造さんの姿がありました。2年目点検を終えてほっとする小野さん一家と中島さんに、家づくりについて伺いました。

取材・文

建築ライター

馬場未織

家をつくる過程を知り、 信頼が生まれ育つ

​小野さん一家と中島工務店の出会いは、家づくりの検討よりも前のことでした。「尊敬する内田樹のブログにしばしば登場する岐阜県の”N工務店”のことが気になってしかたなかった」という房子さんが、岐阜県じゅうの工務店を調べ、探し当てたところから始まります。

 

中島工務店の仕事をもっと知りたいという思いが昂じ、現地を体験する『加子母ツアー』に家族で参加。実際に山林を歩き、家の材となる樹木に触れ、製材工場にも足を運び、材を刻む大工さんとも顔見知ることになりました。

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慎也さんは次第に「次に家づくりをするなら、創造さんにお願いするほかないだろう」と思うようになったといいます。「ひとつの家ができるまでの全てに偽りがないことを、この目で見てきましたから。」

慎也さんは、「山まで遡って家づくりを考える工務店なんて、これまでみたことがなかった」と、驚いたそうです。また、東京のモデルハウス『TOKYO STYLE』でのDIYワークショップにも参加し、床貼りやペンキ塗りなどの現場作業も体験したと言います。その後、慎也さん・房子さんが終の住処を作りたいと考え始める中で、中島工務店とともに家づくりをしようと決めたのは、ごく当然の成り行きでした。

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本当のことを、 深く伝える大切さ

家づくりのはじめに家族全員に中島さんから手渡されたのは、『住まい手さんアンケート』でした。そこには、自分の思い描く住まい方を工務店に伝えるための、細やかな問いかけが並んでいました。これは、声の大きさや話の流れだけで大事なことが決まっていくことなく、むしろ個々のズレをしっかり理解して、設計で解決していくための情報共有手段だそうです。

「本当に、思うことをありのまま書きましたから、ああ伝え損ねた、などというもやもやはなかったですね」と文乃さんは当時を振り返ります。

設計施工が進む最中には、ご家族がモデルハウスのTOKYO STYLEに寝泊りをする機会もあったとのこと。実際にキッチンの使い勝手、照度の具合、お風呂などを体験することで、より具体的な検討が進められたそうです。

また、目には見えてこない〝暮らし心地〟を追求する工程もありました。気密・断熱を徹底したことにより、寒さの厳しい冬でもすべての部屋で15度を下回ることがなかったという竣工後の測定結果が出ています。

ときに仕様のアップグレードを判断することもあったそうですが、小野さんはその理由を理解し、納得し、今の暮らしの満足を得ているとのこと。

「どうすれば、お施主さんに伝わるか。お施主さんが伝えられるか。それをいつも考えているんですよ」と中島さんがいうと、「これだけ深く伝えあっていれば、不安の持ちようがないね」と慎也さんが笑います。

​「たとえば、もっと安くして欲しい、などという頭がなくなります。だって、多くの人々の技術、それを支える努力、かけた時間をすべて見せてもらっていますから。彼らの技術を次世代に繋げるために、むやみに値切ってはいけないという判断がうまれて生まれてくるんです」。

家と、信頼関係が、同時進行で作られていくようです。

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展示会で一目惚れしたという 『AC CRAFT』の椅子。飴色に変化するのを心待ちにされている。

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